【人事の真実】④学歴フィルターって聞くけれど、実際どうなの?
就活の際には必ず耳にする「学歴フィルター」。
1年ほど前には大手新卒紹介エージェントが一定の偏差値以上・以下向けのメールテンプレートを一斉配信してしまい、学歴フィルターが顕在化した!と話題にもなりました。
実際のところ、どうなのでしょうか。
企業側としては、「採用効率の関係上、基準を満たす大学・専攻をターゲットにして採用活動を行っている」のが実際です。
本当は「数か月のうちに全40万人以上の就活生と会い、来てほしい人に上位から順番に声をかけていき、目標に達したら採用活動終了」 としたいのですが、そんなことは現実的に無理ですよね。
ですので、”採用確度の高い母集団をつくる”必要があります。
※「母集団」とは「エントリー数」と置き換えていただいてOKです
そして、”採用確度の高い母集団”はこれまでの入社実績や、会社が求めていきたい能力を備えていそうな人がいる学校が採用ターゲットとなります。
能力といっても、日本の新卒採用では即戦力採用はほとんど行っておらず、入社後会社業務を通じて能力開発を行っていくことが前提となっているため、「会社業務を身に着ける基礎学力があるか?」が能力基準になっています。
つまり、就活生の基礎学力(=大学の偏差値)を一つの基準として、その中から会社にマッチする人を探していくという流れになるため、どうしても企業側は学歴を意識する必要が出てしまいます。
とくに大手や業界トップを走る企業ほど顕著であると思います。
「そんなの不公平だよー!😱」と思いますよね。ですが、冷静に考えればとても合理的な考え方でもあります。
企業には利益を生み出し続ける必要があります。つまりは、利益を生み出せる人に入社してもらう必要があります。
利益を生み出すためには、物事を理解してアウトプットにつなげられる力が必要です。その力の基礎となるのは、国語力であったり数理的な力だったりします。
そして、その力を定量的に測定できるのは、偏差値であったり、適性検査のスコアだったりしますので、企業側は狙った学力以上を有していると思われる人(まわりくどい・・・)をターゲットにしていきます。
極端な話ですが、ずーっと勉強も何もせず常にテストは0点で「Googleに就職して開発の仕事をしたい!」と言っても、現実そういった仕事に就くのは難しいですよね。
(そもそもずっと0点で高校・大学に行けるのか・・・というのは、おいといて笑)
まず、就活生の方々には、こういった考えをもとに企業側が採用活動に取り組んでいる、と知っていただければと思います。
合理的ではあるものの、私個人的には、学歴フィルターというものには害があり、新卒一括採用を1年間(実質数ヵ月)で行う実態から生み出されてしまったものだと感じています。
わずか数年在籍した学校によって、将来50年近い(100年人生で75歳まで働くとして)キャリアのスタートが決まるのはナンセンスだと思いますが、現実として今の日本の社会構造はそのようになってしまっています。
では、新卒で希望通りの会社に入社ができなかった場合、今後のキャリアは真っ暗なのか・・・というとそんな事はありませんので、それについては次回紹介したいと思います。🌝